一億人に一人の白血病と闘う男の闘病ブログ

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いざとなったら親方が…

明くる日の夕方、タマキは自宅のL.D.Kのダイニチファンヒーターの暖ったこい空気の出口にセットされたダクトからイノリの自作のテーブルにコタツの様になった所で脚を温め入院手続きに必要な書類に目を通し、サインしていた。

その机は、6尺の片面だけイエローのツヤありコーティングされたコンクリートパネルの角を面取りして乗せてあるだけだ。

最大で大人8人がゆっくりと囲んで暖を取れるサイズで大体9月下旬から田植えが終わる頃まで張られていたが、そのコンパネは変形するわけでもなくその時には7シーズン目に突入していた。

農閑期になると土方をしていたタマキは生コンを打つ現場で丸ノコで切ったり、電ドリで穴を開けてピーコンをセットしたりして型枠を作ってウンザリする程対面していたので、始め自宅のコタツの上に普通に机の様に乗っていた時は、流石に面喰らったが今じゃ愛刀家の冬場の主役だ。

玄関がガラガラっと開いて、「オーーーサクシンダーーー」と声がしたので、タマキはコタツに入ったまま大きな声で「オーーーどうがどうが入ってくれーーー」

すると、ズカズカと足音を立てて、スーーーッと戸が開いた。

入るなり土下座の格好で「この度は!」と言って頭を下げた。

サクシンは同じ百姓仲間の大先輩で親戚でもあり、36歩位で行き来する距離にある。

「たまぎだのぉーー」のサクシンのコトバに対して「アッこれぇこれぇ」と言いながら診断書を渡した。

それを目にしたサクシンに語りかけるように、「まず9日がら日本海さ入院決まったはげ、何かと宜すぐお願いすます!」

ひと通り診断書に目を通して「まんず稲刈りすてぃがらでぃ、良がったのおー」とサクシン

「ただ心ぺぇだなはこれだー」と言いながら右手でO.Kサインを作ると小指の方を自分の心臓の辺りに数回当てた。

すると作信は「そごは、ほれ」と言いながらイノリの方に顔を向けてアゴを数回上げ下げしながら「イザとなりば親方いるんだもの…頼る時は頼るんだぜッ!」

「んだのー^_^」と少しだけホッとしたタマキだった。

#L.D.K
#ダイニチファンヒーター
#コンクリートパネル
#ピーコン

厚生労働省の認可を受けた電位治療器のご紹介です。