シンダイマエ!
その日の朝9時過ぎ「行って来るわー」とイノリに告げると愛車のシルバーメタリックのケートラに乗り込んで、鶴岡駅に向けてハンドルを握った。
市立病院の30代の先生が新潟の大学病院の整形科の受け付けにその日の午後2時半に予約を入れてくれたのだ。
15分位で駅前に着き、無料で停められるスペースを見つけると「ラッキー!」と呟きながらバックした。
白線に対して少し傾いた感じたったが、エンジンを止めてキーを抜いた。
切符を手に、改札を出てすぐ自由席の文字を探した。
9時48分発のいなほに乗り込むと、右側の真ん中辺りの窓際にゆっくりと腰を下ろした。
残暑の日本海は、おとなしく太陽の光が反射して眩しかった。
磯見漁の船を見つけると、首をグーッと右に向けて、「サザエかなー?アワビもあるか?」と呟いていた。
上京する時などは乗り込むとすぐ「プシュッと」豪快にビールを入れていたが、さすがにその日ホルダーにあるのは十六茶だった。
長ーーーいトンネルを抜けると、左側にはスキー場の夏の山肌が覗いた。タマキは身を屈めていなほの左側の窓から山のてっぺんの緑のグラデーションに目を奪われていた。
新潟駅に着いたのは昼前だった。カラダを動かしてなくても腹は空いていた。構内にある食堂でキツネうどんをさっと入れて、大学病院行きのバスに乗り、右手でつり革を掴んだ。
でかい川を渡るとまもなく「次は、シンダイマエ、シンダイマエへ停車します!」とのアナウンスのあと「ピー」と音がして、間も無くバスは停まった。
満員のバスからほとんどの人が降りた。
タマキの目の前には白く巨大な建物がそびえ立っていた。
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