見知らぬ爺ンジャがキョトンと!
「タマキやなんだなやッ、わーやー?!」
4人部屋に思いっきり響くボリュームでケンジロウが怒鳴り込んできた!
慌てた様子のタマキは右手の人差し指を一本だけ天に向け、閉じた唇の前に置いて、左の手のひらを下に向けて落ち着け!と言わんばかりにオバーリアクションをした。
するとケンジロウは「部屋変わったら変わったで、お知りッてーの!」とグッと優しい声でタマキの耳元で囁いた。
「アッ!悪りッ!」とタマキは合掌してケンジロウに申し訳無さそうに謝った。
その2日前に看護師さんから部屋の移動を打診され、すんなり受け入れてその日の午後に部屋が変わった。やはりそこも鳥海山の反対側だった。「福運が無いな!」と呟いたが、その変更を不定期でネイチャー新聞を届けてくれていた
ケンジロウに教えていなかった。
「いずものように、ガッとカーテン開げだら、知らねぇズンジャきょとん!とすったっけぞ、わーやー!頼むでーーー!」とケンジロウ。
タマキはそのシチュエーションを想像すると思わず大声で「アッハハハーーー^_^」と爆笑してしまった。
「あハハでねってゅーの!」と言ってサッと新聞を手渡した!
タマキは丁寧に笑いが止まらないまま受け取った。
不貞腐れたケンジロウは「なんが食いでものねーがーーー?」と聞いてきたので、1Fのコンビニで期間限定のイチゴ大福をリクエストした。
「わがった!この次部屋変わったらすぐメールノッ!」
了解!タマキは即答した。
ケンジロウが部屋を出て行くと、部屋が変わったばかりで、まだ、おはようございます。の挨拶しか交わしていないベッドが隣りのズンジャが「元気のいい大将だなッ!」と呟いた。
#ボリューム
#オバーリアクション
#知らねぇズンジャ
#福運が無い
#イチゴ大福
#期間限定
#元気のいい大将
育ち盛りの未来のお宝に!