一億人に一人の白血病と闘う男の闘病ブログ

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赤ウインナー^_^

 入院して10日経った時、幼稚園、小学校、中学、高校と共に学んだヒデが来てくれた。

なんでも、知り合いが白血病と闘っているとのことで、長い語らいが続いた。

共に所帯を持ってから対面するのは久しぶりだったのであっと言う間に夜の面会時間のリミットを知らせるコールが鳴った。

別れ際に紙袋を渡されて、「退屈だろうからこれ見でまぎらわしりッ!」

「おおーありがどっ^_^」と受け取るとエレベーターの所まで見送った。

部屋に戻ると、いつものように皆カーテンを締め切り、消灯に備えて静かな感じだったが、タマキは紙袋の中が気になりベッドの上で、そぉーっと開いた。

「なんだや?!漫画の単行本か?!」と確認すると少し拍子抜けした感じで紙袋を閉じて折り曲げて歯を磨いた。

タマキは、どうがでゅーど、漫画よりもグラビア派で、活字を追うのも若干苦手だ。

ベッドに戻って、消灯になり、いつもの様にイヤホンをつけてテレビを見ていたが、何故か紙袋を取り出してその単行本を手にした。

なんか舞台は、深夜にふらっと立ち寄る食堂で展開されるストーリーのようで、それはタマキが、20代から所帯を持つ頃まで、飲み仲間3人でよく足を運んだ。7人も入るとマックスの屋台の焼き鳥屋と重なった。

初対面でもアルコールが入れば、立場はどうあれ打ち解け会える距離感がいい!

そんな庶民的な感じの流れにグッと惹きつけられるように気付くとズンズン読み進めていた。

そこで目に止まったのは、店主のオヤジがフライパンで炒めた赤ウインナーだった!

時間は22時を過ぎていたがすかさず携帯を開いてタミーに「この次来る時赤ウインナーをお願い^_^」とメールを入れると、そっと本を閉じてスポットライトを落として眠りに就いたが、無性に赤ウインナーが恋しくなり、湧き出る唾液をのみこんだ。

真っ黒なフライパンの上で斜めに三本の切れ目が入り、油にまみれて塩コショウが軽く振られて白っぽいムラサキ色の煙が上がってくる頃には切れ目が程よく開く!

ソウイチは肉は食えない。しかし赤ウインナーだけは好みで、地元の蔵稲食堂で頼む肴は、ソウイチ専用の裏メニューのホタテウインナーが出てくるのを思い出しながら眠りに就いた。

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美まゆで映える!