一億人に一人の白血病と闘う男の闘病ブログ

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大きくなったらまた来て

タマキは、右腕の内側を、着ていたグレーのヘインズの半袖Tシャツの袖口を左手で脇の下までまくり、右腕を突き出して、シコリを診てもらっていた。

ヘインズの半袖Tシャツはオールシーズン身につけていた。本当は、純白が一番のお気に入り!だが、夏場は田んぼの水管理やトマトの収穫、そしてその時は、サクランボの雨よけハウスの建て込み作業をしていたので、さすがに汚れが目立つ。一時期、二番目に好きな紺色を着たことがあるが、何故か洗い上がりの変な匂いが気になりやめた。かといって、安物はそれなりに持ちが悪い。リーバイスのTシャツはいつも買う時に手には取るもののカゴに入れるのは、決まってヘインズだった。そんなタマキを見て、タミーはいつもこうつぶやく「おめって!ろくにものを持ってないくせに、こだわるなやのー」それはタマキも自覚していた。

診察してくれているのはニウラと言う白髪の口ヒゲを蓄えた恰幅のいい外科医である。

時間にして10秒ぐらい。軽く押したり、つまんだりして、「んー、大きくなるようだったらまた来て下さい」とのカンタンな答えだった。

タマキはひとまず安心した。帰りの車中で似たようなシコリをした二人を思い出した。一人はタメ年のクウコ、彼女の額に確か小学校6年ぐらいまであったが中学に入学すると何故かそれは無くなっていた。思春期だから体質が変わったのか?と思っていたら後でメスを入れたらしいと噂話を聞いたがいまだに真相は謎のままだ。もう一人はタマキの2コ下の幼なじみのマジメだ。彼のヒジのあたりにそれはあったが、検査の結果、脂肪のかたまりらしく、悪いものではなかったが、気になっていたらしく日帰り手術でカンタンに切除した。

「まっ俺のも脂肪のかたまりだな」とタマキは自分の中でカンタンに済まそうとしていた。

その日の夕方、仕事から帰り、手際よく晩飯の支度をしていたタミーに「大きくなったら、また来い!」だって!と報告した。

「んだが!」と言ったいつもの返事だった。

二人ともまずは、一安心というところだった。

しかし、そのシコリは黙ってはいなかった!

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